‐愛猫の鼻腔内腫瘍の治療法について‐

もしも、大切な猫が鼻腔内腫瘍と診断されたとき、一体どのような治療法があるのか気になりませんか?癌と診断されると、多くの人が不安や恐怖を感じると思います。特にリンパ腫という病気は、免疫系に関わる癌であり、治療法によって生存率が大きく変わることもあります。癌、リンパ腫、抗がん剤、放射線治療いった言葉が頭をよぎりますが、実際にはどのような、治療法が使われるのでしょうか?ここでは、猫の鼻腔内腫瘍の治療法についてご紹介します。

鼻腔内腫瘍は、鼻腔と副鼻腔にできる腫瘍の事です。猫の鼻腔内腫瘍は、腫瘍全体の1~8%程度を占めます。鼻腔内腫瘍の90%以上が悪性となり、腫瘍の種類として大半を占めるのがリンパ腫となり、鼻腔内腫瘍のうち約30%~50%程度を占めています。

猫の「リンパ腫」とは、リンパ球が腫瘍細胞となり、異常に増え続けてしまう現象で、癌腫や腺癌、扁平上皮癌などの発生が多いです。鼻腔内腫瘍は転移が起こる確率は少ないですが、局所の浸潤が強い腫瘍となり、鼻の組織や骨などを破壊し、進行すると頭蓋骨にまで達することもあるようです。

鼻腔内腫瘍は外からは発見しにくいため、症状に気づいたときには侵襲が進行している可能性が高く、出来るだけ早く病院で検査を受けたほうが良いです。

診断・初期症状について

レントゲン検査では鼻腔内が白く写るだけだったり、骨が溶けていたり様々ですが、炎症と腫瘍の適格な判別はできなく、細胞診検査も炎症と腫瘍の区別がむずかしく、CTやMRI検査で腫瘍と予測されても治療法の選択などのため確定診断には生検による病理組織学的検査が必要なようです。

鼻腔内腫瘍初期症状

膿性鼻汁・鼻出血・呼吸困難・いびき・顔をこする・顔の変形・神経症状、眼脂、くしゃみ

これらの症状は抗生剤やステロイド等の使用で一時的に良くなることも多いけれども、腫瘍を除外することはできないようです。

鼻腔内腫瘍の治療法について

リンパ腫とリンパ腫以外の腫瘍では、治療法が大きく異なります。リンパ腫の場合には、抗がん剤治療が治療の第一選択になります。注射タイプまたは飲み薬タイプの抗がん剤やステロイド剤で、リンパ腫の進行を抑える治療を行ない、症状によっては放射線治療を検討する場合もあります。リンパ腫は、リンパ系の細胞であるリンパ球ががん化し、増殖する病気です。リンパ腫には多くの種類があり、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分類されます。リンパ腫以外の鼻腔内腫瘍では、放射線治療・手術・化学療法を組み合わせて治療を行ないます。また、腫瘍を直接手術で取り除くこともありますが、手術のみで治療するというよりは、放射線療法と組み合わせて行うことが多く、症状に応じた治療法が大切です。そして、化学療法とは、いわゆる抗がん剤治療で、抗がん剤のみで治療するより、他の治療法と組み合わせる場合が多いです。

とくに悪性腫瘍の場合、痛みを伴うことも少なくなく、猫ができるだけ苦しまずに暮らしていけるよう、痛みを和らげる治療を行うこともとても大切です。気になる症状がみられた場合には、早めに病院を受診するように心がけましょう。

‐抗がん剤療法‐

猫の鼻腔内腫瘍の治療法の一つとして、抗がん剤療法が一般的に使用されます。抗がん剤は、がん細胞を攻撃して縮小させるための薬剤で、化学療法とも呼ばれます。猫の鼻腔内腫瘍の場合、抗がん剤は通常、点滴や注射の形で投与されます。治療中には、副作用が出ることもあり、治療の期間や投与量は病状や個体差によって異なるため、獣医師の指示に従って治療を行いましょう。

‐放射線治療‐

放射線治療は、がん細胞を破壊するために高エネルギーの放射線を使用する治療法です。猫の鼻腔内腫瘍の場合、放射線を照射することで、がん細胞を縮小させることができます。放射線治療は通常、数週間にわたって行われることがあります。治療中は、猫を静かに保つために麻酔が必要な場合もあります。放射線治療は高度な技術と設備が必要なため、専門の病院で行われることが多いです。麻酔で猫を眠らせ、放射線を腫瘍にあて、定期的に何度も行う必要があります。また、周囲の正常な組織に影響が生じる可能性があります。副作用として、疲労感や吐き気などが現れることもありますが、獣医師の指示に従い、適切なケアを行うと良いと思います。

【まとめ】

猫の鼻腔内腫瘍の治療法には、抗がん剤療法と放射線治療等様々な治療法があります。

鼻腔に限局している場合、治療法としては、放射線療法が適応となりますが、限局しているリンパ腫に対して放射線療法と化学療法を用いた場合の治療法に差がなく、治選法の選択は状態や希望等、その状態に応じて選ばれるようです。

 また、鼻腔以外にも病変が浸潤してしまっている場合、鼻腔内の病変に対しては症状緩和を期待して放射線療法を用い、鼻腔以外の病変には化学療法を用いることが推奨されているようです。抗がん剤療法は化学療法とも呼ばれ、がん細胞を攻撃して縮小させるための薬剤を使用します。放射線治療は高エネルギーの放射線を使い、がん細胞を破壊する治療法です。どの治療法も病状や個体差によって異なるため、獣医師の指示に従って適切に治療を行いましょう。鼻腔腫瘍の多くは中高齢に発生しますが、若齢での発生も多いようです。猫の鼻腔内腫瘍の治療には専門の病院で行われることが多いため、信頼できる獣医師を見つけることが重要です。愛猫の健康を守るために、早めの診断と適切な治療を行いましょう。