愛猫の鼻腔内腫瘍と抗がん剤の副作用とその対策について

愛猫が鼻腔内腫瘍に罹患した場合、抗がん剤治療は一つの選択肢となりますが、その副作用については飼い主として不安を抱えることも多いと思います。

今回は、猫の鼻腔内腫瘍に対する抗がん剤治療方法の副作用について、その対策についても考えていこうと思います。

猫の鼻腔内腫瘍とは

猫の鼻腔内腫瘍は、鼻腔内の組織や器官にできる悪性の腫瘍です。腫瘍とは体にある細胞が、様々な原因で細胞自体が狂ってしまい、分裂・増殖したものです。

症状としてはくしゃみや鼻水、鼻づまり、嗅覚の低下などが見られます。鼻腔内腫瘍は他の臓器への転移が少ないため、抗がん剤治療が有効な治療法として考えられています。高齢の猫の死亡原因第2位の癌といわれています。

抗がん剤治療の方法と副作用

抗がん剤治療は、猫の鼻腔内腫瘍に対する主要な治療法の一つです。抗がん剤は腫瘍細胞を攻撃するため、腫瘍の成長を抑制する効果があります。しかし、抗がん剤治療にはいくつかの副作用があります。

一般的な副作用としては、吐き気や嘔吐、食欲不振、下痢、脱毛などがあります。抗がん剤により、消化管粘膜の細胞が破壊され、食欲不振や吐き気などの消化器症状と、骨髄の細胞が破壊される事により、赤血球・白血球や血小板が減ってしまう骨髄抑制が多々見られます。これらの副作用は、抗がん剤が正常な細胞にも影響を及ぼすことによって引き起こされます。

また、抗がん剤は免疫力を低下させるため、感染症にかかりやすくなるという副作用もあります。また、リンパ腫は白血球の一種であるリンパ系の細胞ががん化することで起こります。悪性度の高いリンパ腫で、無治療の場合、平均余命は1~2か月程のようです。

さらに、鼻腔内腫瘍の場合、抗がん剤治療によって鼻腔内の炎症が悪化することがあります。これにより、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状が悪化する可能性があります。

抗がん剤治療の副作用対策

抗がん剤治療の副作用を軽減するためには、いくつかの対策があります。

まず、吐き気や嘔吐を軽減するためには、吐き気を抑える薬を投与することで、猫の不快感を軽減することができます。

しかし、猫に投与される抗がん剤治療は、副作用に関して人の治療で見られるひどい吐き気や脱毛等は猫の治療ではあまり見かけません。

また、食欲不振や栄養不足を防ぐためには、栄養補助食品の使用や食事の工夫が必要です。猫が食べやすい形状や味付けのフードを選ぶことで、食欲を刺激することができます。

そして、感染症予防のためには、定期的な検診や予防接種が重要です。抗がん剤治療によって免疫力が低下するため、感染症にかかりやすくなる可能性があります。定期的な検診や予防接種を行うことで、猫の免疫力を高めることができます。

まとめ】

猫の鼻腔内腫瘍に対する抗がん剤治療は効果的な治療法の一つですが、副作用には注意が必要です。吐き気や嘔吐、食欲不振などの副作用は、抗がん剤が正常な細胞にも影響を及ぼすため引き起こされます。しかし、適切な対策をとることで、副作用を軽減することができます。飼い主としては、愛猫の健康を守るためにも、抗がん剤治療に関する情報を正しく理解し、獣医師と協力しながら治療を進めることが重要だと思います。